RESEARCH

CONCEPTー目指すところー

私達の研究目的は、植物の脂質合成・代謝の分子機構やその機能、そしてそれらの進化の道筋を解明することです。 またその成果を最大限に活用し、植物や藻類で有用脂質の生産を行う仕組みづくりも目指しています。

脂質は生物を構成する重要な要素の一つであり、脂肪や油脂の形でエネルギーを貯蔵するだけでなく、 生体膜構築、シグナル伝達、免疫応答など、生命が活動し続けるために必須な多くの機構において、 中心的な役割を担っています。植物においても、脂質が重要な構成要素であることは変わりません。 植物に特徴的な例をあげると、植物の種子に保存されるトリアシルグリセロール(TAG)は、 種を超えて広く保存された炭素保存の形態であり、発芽や発生に深く関与しています。 他にも、光合成膜の主要構成膜脂質である糖脂質や、外界と植物体を隔てる表層脂質など、植物は多様な種類の脂質を含んでいます。

私達の研究室では、これらの植物が有する脂質に注目し、植物が外界の環境に適応するためにどのように脂質を変化させるのか、 また、進化の過程で、脂質はどのように変化していったのかを解明することを目指しています。また当研究室ではそれらの知見を活用し、 植物や藻類で有用脂質を高生産する仕組みを作ることも目指しています。

ABSTRACTー研究概要ー

植物の脂質代謝・制御機構・機能の解析

植物には多様な形態の脂質が含まれており、様々な経路を通して、代謝・制御が行われています。 植物に含まれる各脂質の量やその脂肪酸組成は、葉や根など器官によっても異なりますが、 外界から受けるストレス(温度、乾燥、栄養欠乏など)によって変化します。 その結果、植物はストレスに順応することが明らかになっていますが、その制御機構についてはわからない点が多く残されています。 当研究室では、ストレスに応答した脂質代謝の制御機構を分子レベルで明らかにすることを目標としています。

植物の生理活性物質

植物の進化と環境への適応

解析手法